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ハワイの神話と伝説

『 ハワイの神話と伝説 』 目次  (タイトルをクリックすると各項へジャンプします。)
はじめに・・・(著者プロフィール・参考文献)
第一章 島々と人間の誕生
【1】 ハーロア(Haloa)
【2】 「メレ・ア・パークレイ(Mele A Paku'i)」より
【3】 四大神による創造神話
【4】 ペレ(Pele)による島々の創造
第二章 マーウイとヒナ
【1】 マーウイの誕生
【2】 マーウイ、島を釣る
【3】 マーウイ、空を持ち上げる
【4】 マーウイ、火の起こし方を知る
【5】 マーウイ、太陽を捕まえる
【6】 マーウイ、化けトカゲをやっつける

第二章 マーウイとヒナ
マーウイ、火の起こし方を知る(1)
マーウイ、火の起こし方を知る(2)
マーウイ、火の起こし方を知る(3)
* カロ (Kalo)
……里芋の仲間。これを蒸かしてすりつぶし、水と混ぜてペースト状にしたものはポイ(poi)といって、ハヴァイイ人の主食です。英語ではカロのことをタロ(taro)といいますが、タロはほかのポリネシア圏から英語に入った言葉です。ハヴァイイ語ではt音とk音の区別がないので、kの表記で統一し、同様に、l音とr音の区別がないので、lの表記で統一することになっています。そのため、ほかの地域ではタロといっているものがカロになるのです。
カロ(Kalo)=タロイモ(ハワイ人の主食)
カロ(Kalo)
*カウポー
……マウイ島東部の地名。
"Me Ka Nani A'o Kaupo2" の歌で知られる。 
絶滅危惧種のアラエ
* アラエ
……水鳥の一種。和名バン。
全身黒いが、頭からくちばしにかけてのところだけ赤い。
バンは世界各地にたくさん生息する鳥だが、ハヴァイイのバンは亜種であり絶滅危惧種。
カパ
ハウ
* カパ
……樹皮をたたいて作った布のようなもの。

* ハウ
……ハイビスカスの仲間で、木の材質は柔らかい。海岸に多く育つ。
* オロメア
……木の一種で、固い。ハヴァイイの固有種。

【 解 説 】

ハヴァイイでは火山が身近にありますが、この神話では、火を火山の溶岩流からではなく、木から得るものとしています。このことはおそらく、ハヴァイイ人がほかの土地から移住してきた人々であり、火山を見つける以前から、木をこすり合わせる火の起こし方は知っていたし、それにまつわる神話も持っていたからなのでしょう。

ココナッツ古代ハヴァイイでは、尖らせたハウの木切れで、オロメアという木につけた溝をこすって火を起こしていました。ハウはとても柔らかい木で、オロメアは固いのです。そうして火がつくと、よく乾いたココナッツの殻の繊維(ココナッツは外観では分かりませんが、中の食べるところがたくさんの繊維質でおおわれています)に火を移し、それから薪に移していました。

ハヴァイイで行われていた調理のしかたは二種類で、素材の量が少ないときは、アラエがバナナを焼いていたように、火に直接かざして焼いていましたが、たくさん調理するときには、イム"imu"(またはウム"umu")と呼ばれる、一種のオーブンを使いました。

イムイムとは、地面に掘った、直径、深さとも1〜2メートルくらいの穴です。その穴の底で火を焚き、燃えさしになったところに石ころを敷き詰めます。石が熱くなったところにバナナなどの葉っぱを敷き、その上に食べ物を載せて、ふたをして蒸し焼きにしました。ふたはバナナやキー(ティー)の葉っぱ、古いマットなどで、ときには土が使われました。この方法は、調理時間が2時間かそれ以上かかります。

ハヴァイイでは、男性の食べ物と女性の食べ物は別々に調理しなければならないと決まっていたので、各家庭に2つのイムがありました。そして、どちらも、調理するのは男性の仕事でした。


【コラム】 でも、ファーマーズ・マーケット(生産者直売所)に行けば、もっといろいろなバナナが買えます。私が好きなのは、アイスクリーム・バナナ。ほかの種類に比べると、肉質がきめ細かくて舌触りがなめらかなのです。その舌触りが名前の由来。あとは、形や色がちょっとずつ違うバナナがたくさん。中には、皮の色が赤みを帯びているバナナもあって、そういうバナナは果肉も赤みがかっています。ただ、当たり前ですが、種類は違っても味の違いは微妙。結局、どれもバナナの味であることに変わりはありません。  また、同じハヴァイイの中でも、島によって、普及しているバナナの種類は違うそうです。


バナナは、調理して食べることもあります。日本では、バナナはたいてい生で食べ、せいぜいバターでソテーする程度ですから、アラエがバナナを火で焼いていたというのに驚かれたかもしれませんが、バナナは大変種類が多いので、調理専用のものもあるのです。また、普通の生食用バナナの未熟なのを調理して食べることもあります。バナナを調理するときは、皮がついたまま、ゆでたり焼いたりして、それから皮をむいて食べます。味は甘くなく、ほくほくして、お芋の一種という感じです。昔のハヴァイイ人は、調理したバナナをポイにして食べることもあったといいます(ポイといえばタロ芋で作るのが一般的ですが、必ずタロと決まっているわけではありません)。


さらに、バナナの花のつぼみも、食用として売られています。バナナのつぼみは、茎の先端にぶら下がったアーモンド型の赤い大きな固まりの中に入っています。この固まりは、たけのこのような感じで、赤い皮に包まれています。その皮をむくと、皮の根元のところにつぼみが並んでいるのです。ちなみに、花が咲くときはその皮がめくれあがって、花が露出して咲きます。私も一度つぼみを食べてみましたが、つぼみの中に入っているしべが固くて、あまりおいしいとは思いませんでした。

バナナのいろいろ

ハヴァイイにバナナがもともと何種類あったのかは、はっきりとは分かっていないのですが、間違いなく数十種類はあったとされています。昔のハヴァイイ人にとって、入手しやすい食べ物の中では、バナナは砂糖きびと並んで、間違いなくもっとも甘い食べ物の一つだったことでしょう(もっとも、カプによって女性がバナナを食べることは制限されていましたが)。

今日では、在来種のほかに、世界各地からいろいろなバナナがハヴァイイに持ち込まれています。それらの全てが商業的価値があるというわけではないにしろ、ハヴァイイでは実にさまざまな種類のバナナが売られています。

その中でも特にポピュラーなのは次の2種類。まず、ウィリアムズ・バナナというのは日本の普通のバナナのこと。それから、アップル・バナナというのは、ウィリアムズに比べると曲がっていなくてずんぐりしたバナナ。なぜアップルという名前なのかは分かりません(「かすかにりんごの風味があるから」という説がありますが、私にはそうは思えません。)。ハヴァイイといえども、普通スーパー・マーケットで売っているのはこの2種類だけ。
バナナ
バナナ

第二章【4】 マーウイ、火の起こし方を知る  完

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